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【脳の機能異常】不安や恐怖が実際の痛みを強くする理由

気分が落ち込んでいるときや心配ごとがあるとき、
あるいは、病院で怖い診断名を告げられたときなどに、
痛みの悪化を経験したことはありませんか?
 
実は、悲観的な感情によって痛みをしずめる脳の働きが低下してしまうことがあります。
この記事では、
  • ネガティブな感情によって痛みが強くなる仕組み
  • 前向きな考えで、痛みを軽くするコツ
をご紹介します。
実際に来院される患者さんの中にも、心理面が関係してる痛みにお悩みの人が非常に多いです。
そこで、脳の働きを中心とした痛みの仕組みを解説します。

脳の扁桃体が興奮すると痛みが強まる

先日NHKの「ためしてガッテン」でも登場していた脳の「扁桃体(へんとうたい)」。

不安や恐怖といったネガテイブな感情によって、この扁桃体が優先的に活動します。


そして、この扁桃体が興奮を強めると、痛みも強く感じるようになってしまいます。


心の痛みと身体の痛みは同じ痛み

たとえば、痛みを思い起こさせる写真を見たときや、
蛇などの恐怖を呼び起こす写真を見たとき、

人が実際に痛みを与えられた時と同じ部分が活動します。


もう一つ、物理的な痛みがなく、

仲間外れにされる設定でコンピューターゲームをしたときにも同様に、

実際に痛みを与えられたときと同じ部分が活動することが分かっています。

要するに、実際の痛みも心の痛みも、「脳にとっては同じ痛み」といえます。


マイナス思考が痛みを強める

ネガティブな感情や痛みのイメージが、実際の痛みを強めたり弱めたりします。

要するに、痛みのことを常に考えたり、考えが後ろ向きになる人ほど、痛みを強く感じるようになります。

するとそれが常態化し、痛みが慢性化してしまうことがあるのです。

扁桃体の興奮を沈めるには、前向きな考えとそれに従った行動が重要です。


前頭葉が痛みの興奮をコントロール

痛めた場所が治ったら、痛みも次第に引いてきます。

これは脳の前頭葉が扁桃体の働きをコントロールしているからです。

そしてこれは、不快な感情に関しても同じなのです。

いつも痛みのことを考え不安や恐怖を感じていては、

そのストレスで脳は疲労し、前頭葉もその働きを低下させてしまいます。

すると扁桃体の暴走は止まらず、前頭葉の働きが及ばなくなってしまうのです。

そういったところから、「きっと良くなる」といった思考や、

「怖がらずに行動する」ことが重要になってきます。


恐れず動くことが安心につながる

痛みが長引くときは不安になるものです。

痛みにとらわれ過度に不安になってしまうと、痛みの興奮をコントロールすることができません。

痛みを恐れると動けなくなってしまいます。


その反対に、痛くても動けることが安心につながります。

そういったところから、痛みに恐れ過度に不安になってしまうと、うまく痛みの興奮をコントロールすることができません。


その反対に、「痛くても動ける」ことが安心につながるのです。

そういったところから、痛みを恐れず行動することが大切で、

このような思考と行動が、痛みを早く改善に向かわせるのに、最も必要なことだといえます。


まとめ

痛みが長引くと、誰でも不安になったりするものです。

不安と恐怖で動かず横になっている人と、恐れず行動する人では、

その後の治りに大きな差が出てきます。

そこには脳の働きが関係していて、
正常に機能しているかしてないかによって痛みの感じ方が変わります。

重大な疾患が関わっていない痛みなら、動いて治すのが最も効果的。

歩くことが、痛み対策には効果的です。

それに、自分で治したという経験と自信は、その後の人生にもプラスに働くはずです。


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あおば秀樹🦴ほねつぎ院長

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