むち打ち症のエビデンス

 医療で用いられる「エビデンス」とは、科学的根拠の事を指すことが多く、実験や調査などの研究結果を基にした「裏付け」が求められます。


 テレビやインターネット、他のみんなが言っているからその情報が正しいのではありません。

 エビデンスレベルの高い情報を見極めて有効に活用する能力を身につけましょう。


交通事故後のむち打ち症


 交通事故によるむち打ち症についても様々な情報があふれています。



 🔵 追突事故で多く発生する

 🔵 事故直後は無症状でも後から痛くなる

 🔵 頚椎カラーを付けて安静にする

 🔵 徐々に運動や牽引治療を始める

 🔵 むち打ち症は後遺症が怖い


 一般的にはこのように言われています。





 むち打ち症の文献は、分野によっては良好な科学的エビデンスが不足していると言われています。


 ここでは最も良いエビデンスを統合した、むち打ち症のレビューを参考にしていきます。


むち打ち症は後から痛くなるの?


 実際に、交通事故にあった直後は無症状なのに、4〜5日後あるいは1週間を過ぎた後から首の痛みを訴える患者さんもいます。



 しかし、交通事故の衝撃で骨折や脱臼が発生したのであれば、事故直後から強い痛みがあるはずです。

 レントゲンやMRIなどの画像検査で異常が見つからない痛みの大半は筋肉の痛みであり、おおむね予後は良好です。



 過度な心配や思い込みは、脳のペインマトリクス(痛みを認識する領域)を活性化させます。



 交通事故によるむち打ち症で重篤な損傷が起こることはまれであることを説明し、患者さんを安心させることが重要です。


むち打ち症はとにかく安静?


 ⚪️ 頚椎カラーを付けて安静にする


 ⚪️ 悲観的なとらえ方や考え方


 これらは回復を遅らせて、症状を慢性化させる可能性があります。


 動かすと痛みが悪化するのではないか‥

 痛いからしばらく仕事を休んだほうがいいのでは‥

 
 このように行動を制限してしまっては、だんだんと気持ちも落ち込んでしまい回復も遅れてしまいます。


むち打ち症の痛みが慢性化する理由


 痛みの慢性化は脳との関係で始まります。

 
 特に交通事故の場合、 


⚫︎交通事故後の対応が大変 

⚫︎外傷がない場合職場や家庭の理解が得にくい 

⚫︎寒さ、天候などの条件付けで症状を繰り返す 


などといった具合に、身体へのストレスだけでなく「心理社会的ストレス」も加わります。 

 病院で痛みを伝えても、画像診断で異常がないとこれといった治療もしない事が多く、  湿布や痛み止めだけでは信頼も薄れていき、整骨院を頼ったり、諦める傾向が強いようです。 


 ただ、整骨院のマッサージでその場は楽になっても、上記のようなストレスや「痛みの記憶」、「痛みの条件付け」などといった原因が関与している場合、慢性化に移行してしまう事は少なくありません。 



 慢性化する前に痛みの根本原因を突き止めて、そこにアプローチをしていく事が大切です



脳は痛みを記憶する


 ゴムボールを指で押しても、指を離すと元に戻ります。

 しかし、粘土を指で押して離しても、指の形に凹んだまま元に戻りません。


 このように粘土のような変化した形を残してしまう性質を「可塑性」といい、脳における「記憶」も可塑性によるものです。

 最近は、「痛み」による刺激が長く続くと神経回路が元に戻らない変化をとげてしまい、痛み系そのものが歪んでしまうことがわかりました。


 こうなると、他の神経系との間に正常ではないネットワークができ、本来なら痛みとは感じない軽度な刺激の信号が、脳に行くまでの間に痛みの経路に乗り替わってしまいます。


  そうすると、軽度の刺激、感情や記憶によっても痛みが引き起こされる場合があります。



痛みの条件付け


 人類を含め、あらゆる動物は、条件に反応する性質を持っています。 

 パブロフの犬をご存知でしょうか? 

 パブロフは、研究室で複数の犬に餌を与える時、必ずベルを鳴らしました。 
 2、3度繰り返すと、餌を見せずにベルを鳴らすだけで犬が唾液を出すことがわかりました。 
 この犬達は、ベルの音で身体が反応するように条件付けられたのです。 

  
 腰痛患者が、「イスに座ると痛くなる」、「運転すると痛くなる」、「靴下を履くとき痛い」、これらは条件付けによる反応とも考えられます。 


 前屈して手が床につく人が、靴下を履くときにだけ必ず腰が痛くなるといったケースがあります。 


 これは、靴下を履くとき腰が痛くなった経験のある人が、「靴下を履く=腰痛」という条件付けがされてしまい、本来なら何でもない靴下を履く動作で痛みが生じている事が考えられます。 

( 参考文献  サーノ博士のヒーリング・バックペイン) 



慢性化したむち打ち症治療


オーストラリアのZoe A Michaleff氏らによる、


⚪️ 慢性化したむち打ち症に対するエビデンスに立脚した治療法はない

⚪️ 慢性化したむち打ち症への運動療法に効果なし

 といった報告がありました。


  理学療法士が行う運動療法と簡単なアドバイスをする群に分け、痛みの軽減効果を比較した試験の結果です。(ランダム化比較試験)



 痛みが長引く原因は一つではなく、痛みの慢性化は公衆衛生上大きな問題として取り上げられています。


 むち打ち症に関しても、身体的な治療だけではなく心理面へのケアを取り入れることが、患者さんを早期回復させるために重要であると言えます。




むち打ち症が慢性化する前に

 交通事故は突発的に起こり、仕事や家庭にも影響が及ぶ事があります。 

 リトアニアやギリシャのように、損害保険のような補償制度が整備されていない国では早く治ります。 

 心理社会的因子が長引く痛みの原因になる事があるのです。


 レントゲンやMRIの検査で異常が見つからない「むち打ち症」や「腰痛」は、本人の自覚症状に関わらず、一定の期間で保険会社から治療を打ち切りとされる事があります。

 しかし、特に交通事故による長引く痛みは、病院の検査では発見できない原因が隠れている事があるのです。


 ケガの治療だけではなく、保険や法律に関するお悩みもサポートする環境を整えることも、交通事故の患者さんを早く回復させる事につながります。


  

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