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自分の事を知ることが問題を解消するコツ

 「いつも家事が忙しくて腰が痛む」「脊柱管狭窄症で歩くと痛む」。

 痛みを抱えた患者さんは、痛みが良くならない原因を1つか2つお話されることが多いように思います。


  緊急に治療を必要とする危険な腰痛もありますが、全腰痛の85%は原因が特定できない〝非特異的腰痛〝であると言われています。


 それらが長引く原因は、ストレスから生じる脳の誤作動であったり、神経バランスの乱れから身体がうまく働いていないためと考えます。


 家事による負担はあくまでも身体的ストレスの1つ。これだけを見ていると本来の原因を見誤り、家事をすることで腰痛が悪化してしまうと思い込み、家事をすることが自分にとってマイナスであると捉えてしまいます。


 会話の中で、「私も脊柱管狭窄症なの…」という話を聞くと、自分と相手は同じ腰痛だと思い込み、相手の意見を取り入れ行動を制限してしまったりします。


 しかし、根本的なところを見ないで相手のうまくいった方法を真似しても、いっとき楽に感じても問題を繰り返すことが多い様に思います。


 うまくいかない原因が、年齢や診断名、または環境のせいであると思い込んでしまうと、ネガティブな考えを採用して行動を控えてしまいます。


  次第に、「痛みがなくなるまで安静にしなければならない」といったようなマイナスな信念が出来上がり、回復の妨げになってしまいます。



 大切なのは、同じ腰痛であってもいくつかの要因が絡み合い起こっていて、それは人によって違うという事。自分のことを知らないまま、同じ症状や診断名の人の方法を真似してみても、根本的なところが違えば問題は繰り返されるということです。