脱臼の症状

  • 転んで後方に手をついてから肩が動かない…
  • 子供の腕を引っ張ったら手を動かさなくなった…
  • あくびをしたら、口が閉まらなくなった…
  • 突き指をしたら指が変形して動かせない…

怪我をして、これらの症状が気になる場合は、脱臼の可能性があります。


脱臼とは

 関節がはずれて骨の位置がずれてしまった状態です。


 ずれた関節を元に戻して数週間固定をすれば症状は落ち着きます。


 子供の肘に発生するものは亜脱臼であり、固定の必要はありません。


脱臼の原因と多発部位


 転倒やスポーツが原因で、関節部に大きな衝撃が加わって発生します。


 脱臼しやすい関節は、

🔵 肩の脱臼

🔵 顎の脱臼

🔵 指の脱臼

🔵 子供の肘脱臼


                       などです。


肩関節脱臼

 肩の関節は、人体の中で最も脱臼しやすい関節です。


 小さなお皿上の受けの上に大きなボールが乗っている様な構造で、可動範囲は大きいのですが簡単に外れてしまいます。

 

肩関節脱臼の特徴


 スノーボードで後方に転倒して手をついた、つり革につかまる様な姿勢で後方に腕を持って行かれたなどの外力が肩の関節に加わった時に発生します。


 怪我の直後から激痛があり、腕は脱臼方向によって特徴的な位置に固定されます。


 脱臼を戻した後も、周辺の組織が修復されるまで数週間の固定を要します。

 脱臼を繰り返す「反復性脱臼」となり、日常生活や私生活に支障があれば手術が必要になることもあります。



顎の脱臼

 大きなあくびをしたり、歯を抜く時に大きく口を開けた際に発生します。


 口は開きっぱなしで閉口できないため、流涎(よだれ)が見られます。

 女性に多く、反復性になることがあります。


 外れて時間が経つと、周囲の筋肉が緊張して整復が困難となりますので、早急に医療機関に行くことをお勧めします。


指の脱臼

 突き指をした際、指の関節が脱臼してしまう場合があります。

 指を強くぶつけてしまったり、バレーボールでブロックした時に発生し突き指の中でも重症といえます。
 自分で引っ張る人がいますが、骨折を合併していることもあるため、添え木などで応急手当をして医療機関を受診してください。


子供の肘脱臼(肘内障)

✅ 子供の腕を引っ張った

 

✅ 子供が腕を使わない

 

✅ 子供の腕に触ろうとすると嫌がる

 

 5歳前の子供は、腕を急に引っ張られたり、寝返りで腕が体のしたに入ってしまい肘が抜けてしまう事があります。腕を引っ張った途端に泣き出したり、腕を下げたまま動かさなかったりするためにご両親が心配になって受診されます。

 

 中には「肩が抜けた」と思い込んでいる人もいますが、5歳前の子供の腕を引っ張って抜けるのは肘がほとんどです。

 繰り返し起こしやすい子もいますが、成長とともに生じなくなりますので心配ありません。
 

 肘内障は5歳前の子供に発生する「肘の亜脱臼」です。


 大人の脱臼と違い関節が完全に外れた状わけではなく、輪っか状の靭帯から骨がずれてしまった状態です。

肘内障の原因


🔵 親が急に腕を引っ張った。


🔵 寝ている時に腕が体の下になって引っ張られた。

🔵 チャイルドシートから抜け出そうとした。

 この様に、肘から先を引っ張られた際に発生します。

 転んだりぶつけたわけではなく、上記のように原因がはっきりしていればレントゲンを撮る必要はありませんので、整骨院でもすぐに整復(関節のずれを元に戻す)できます。

肘内障の特徴


⚫︎腕を動かさない


⚫︎痛みで泣き出す

⚫︎腕をぶら下げて触られるのを嫌がる

⚫︎整復すればすぐに痛みがなくなる



 整復が終れば特に湿布も固定も必要ありません。

中には外れやすい子はいますが、 5〜6歳になれば骨の成長と共に起きなくなります。