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腰が痛い人は腰が悪いのか

 「この膝の痛みは腰からきてるんですか?」「最近足がつるのは腰が悪いからですか?」といった質問の多くが、腰が悪いと他にも良くないことが起こるという考えから来ているようです。



 「腰」という時は、「月(にくづき)」と「要(かなめ)」で構成されているところから、体の重要な部分であることを意味しています。



 そして、足に向かう血管や神経は腰椎から出ていますから、特に腰から下の症状には腰が関係しているという考えになりやすいのだと思います。



しかし、腰が痛いから必ず「腰が悪い」とはいえません。




レントゲンを取れば、多くの人に腰の異常が見つかりますが、痛みがない人はたくさんいます。






自分の腰が悪いという思い込みは、腰痛に対する不安を高め、普段の行動を制限し、過剰に腰をかばうことになってしまいます。



すると、筋肉は衰え、血流は悪くなり、脳機能の低下から痛みを感じやすくなってしまいます。



「私は腰が悪い」ではなく、「最近腰の調子が良くない」と言葉を変えるだけで、随分と気持ちは楽になり悲観的に考えることも減って来ると思います。



たとえば、風邪を引くといつも喉が痛くなる人は、「私は喉が悪い」とは言わないのではないでしょうか。



きっと、「風邪で喉の調子が悪い」とか、あるいは、単に「喉が痛い」というのだと思います。




同様に、「昨日ゴルフの練習をやりすぎて腰が痛い」「最近ゆっくり休めてないから腰の調子が良くない」というイメージなら、



腰のコンディションが正常に戻れば、風邪で痛くなった喉と同じく自然に良くなっていくものです。



腰に対するとらえ方が少し変わるだけで、腰痛に対するイメージや感情が変わっていき、その後の回復が早まる可能性があるのです。