先日、50歳代男性の患者さんがこのようなお話をされていました。
友人と食事をした時に将来に対する不安について相談をされたそうです。
その方は、高額の住宅ローンが残っており、会社をリタイヤした後支払いをしながら生活をしていけるかを考えて不安になるのだそうです。
この相談に対して患者さんは、「退職までまだ10年あるのだから、毎月一定額の蓄えを残して返済すれば良い」「退職金もあるんだから大丈夫」などとアドバイスをしたそうです。
しかし、帰るころになると友人はもっと落ち込んでしまったそうです。
悩んでいる相手に、
「悩んでも仕方がないよ。こうしたらいいよ」などと、つい私たちは言ってしまうのですが、
自分が上に立って自分の考える正しさをいくら説明しても、相手には響かないこともあります。
少しずつ節約して貯金をするというのは正論のようです。
しかし言われた相手は、「貯金などの対策をしていない自分のせい」と責められているような気持ちになって、その言葉に傷ついているのかもしれません。
人間には感情がありますから、それを見ないで正しさだけを伝えようとしても伝わりません。
自分の言いたいことだけに目を向けていては、相手の感情を無視してしまうことになります。
もしかしたら、友人は解決法が欲しかったのではなく、自分の気持ちに共感して欲しかったのかもしれません。
人に共感してもらえた時、人は快感を得ることができるといわれています。
「自分の大変さを分かってもらえた」という感覚が得られれば、気持ちもスッキリします。
感情の部分が正常になれば、理性的な考えもできるようなり、アドバイスも伝わりやすいかもしれません。