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心の痛みと体の痛み【脳にとっては同じ痛み】

心の痛みと体の痛みは、同じ脳の領域で感じています。

つまり、心理的ストレスと体の痛みは、脳にとっては同じ痛みなのです。

このような研究があります。

3名でキャッチボールをするコンピュータゲームを作成し、ある時から自分に全くボールが来ない。つまり、急に自分だけ仲間外れにされた設定にします。

この時脳の活動を調べると、実際に体の痛みを感じているときに活動する脳の部位が働いていました。


つまり、仲間外れにされたときに感じる「心の痛み」と実際の痛みは、脳にとっては同じ痛みということです。

患者さんの中には、ストレスによる痛みを抱えている人も多く、そのことに自分で気がついている人もいます。

ただその見極めは難しいものです。

体の痛みと心の痛み、どちらも「怒りや悲しみ」といったネガティブな感情がゆさぶられます。


たとえば、子どもがお母さんに叱られ、叩かれて泣いている時、叩かれた体の痛みとは別に、叱られた悲しみや恐怖の気持ちでも涙が出ます。

ただ、泣いている様子からは、叩かれたところが痛いのか、悲しくて泣いているのかの割合は分かりません。

体の痛みの元になる刺激と不快な感情は、同じ脳の領域で処理していますから、体の痛みが強くなるほど、不快な感情を処理する能力は下がります。


原則的には、体の痛み刺激が強い時、ネガティブな感情は体の痛みを上回りません。

逆に、心の痛み刺激が強い場合、ネガティブな感情を体の痛みが上回る事は無いのです。

患者さんが、体の痛みよりもネガティブな感情を表に出しているときには、心の痛みが体の痛みを生じさせたか、体の痛みにネガティブな感情が加わっていると考えられます。


患者さんのパターンとしては、

「痛みがあるから全てうまくいかない」
「家事ができない」
「出かけられない」
「どこに行っても良くならない」
「寝られない」

などと不満を訴えます。

痛みの事よりも、日常のストレス、対人関係、家庭の問題など、痛みに関連して生じたストレスのことを訴えるのです。

ネガティブな感情が強いほど、実際の痛みが強く感じられる仕組みがありますから、痛みの原因を体の部分だけに決めつけず、心の部分にも注目していくことが必要です。


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