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尾骨部の痛みと自律神経の乱れと4つの心理的ストレス


尾骨部の痛みは、外傷で発生することが多いのですが、一定の期間が過ぎても良くならないケースがあります。

損傷するケースの多くは尻餅などで発生し、

座ると椅子などに当たって痛いため、それがストレスになり長期化することもあります。

今回のケースでは、

「長引く痛みの原因は自律神経の乱れにある」

と病院で言われた男性の症例です。


痛みの原因は交感神経?

 40歳代男性。

3年前の外傷をきっかけに痛みだし、ずっと改善しない尾骨部と足底の痛みで来院されました。


当院に来院されるまでは病院に通院していて、薬で経過を見ていたそうです。



しかし症状は解消されず、仕事も1年半もの間休職されているそうです。


病院では

「構造上の異常よりも、交感神経が過敏になっているため」

と説明されました。

要するに、ケガは治っているけど、何かの原因で自律神経が乱れ、痛みが長期化してるということになります。

そこで、自律神経の乱れで痛みが出るとはどういうことか、について解説します。


自律神経が乱れたときの症状

慢性痛を抱える人に多いのが、自律神経が乱れたとき特有の症状が伴うことです。


患者さんは、痛みシビレの他に、下記のような症状が続いているそうです。


  • 不眠
  • 便秘
  • 足底の汗

これらは交感神経が高くなっている時に生じる症状といえます。


痛みに過敏になってる

腰、尾骨、大腿部、足底には触るだけでも痛みが発生し、マッサージをするような状態ではありませんでした。


心理面が関わっている痛みの特徴として、

「過剰な痛みを訴える」
ことがあります。

10段階で痛みの程度を質問したとき、10を超える痛みで訴えます。


こうしたことからも、心理的問題が関係している可能性も考えられます。


心理的ストレスが痛みを強くする

  1. 痛みが良くならない
  2. 仕事を1年半休んでいる
  3. 夜眠れない
  4. 痛みがツラい

少し聞いただけでも、これだけの悩みを抱えているわけですから、こうしたストレスが痛みを強くしている可能性を否定することはできません。


1: 痛みが良くならないストレス

通常なら日に日に良くなっていくはずの痛みが長期化すると、心理的なストレスは増えてきます。

「どうしてよくならないんだろう…」
「一生このままかもしれない…」

といったような考えが頭の中をぐるぐる回り、脳が疲れてしまうため、痛みを鎮めるシステムがうまく働かなくなります。

これでは同じ痛みでも、耐えられない痛みに変わってしまいます。


仕事を長期間休んでいる

社会復帰に対する消極的な態度は、痛みを長期化させる原因の1つです。

仕事をすることで痛みが強くなるという恐怖心もあります。

行動を避けることによって活動レベルが低下。

経済的不安など。

様々な要因がストレスとなり、気分は落ち込み症状は長引くことになります。


夜眠れない

  • 痛みのために眠れない
  • 痛みのことを考えすぎて眠れない
  • 活動量が低下し体が疲れていない
  • 交感神経が優位になっている

夜眠れないことが大きなストレスとなり、睡眠が不足するとストレスは解消されません。

また、痛みを避けるために活動量が低下すると、体が疲れていないため眠りも浅くなります。

眠りが浅いと痛みが気になり、頭の中で悪いことばかりを考えてしまい、そのストレスから交感神経が活動しさらに眠れなくなるという悪循環です。

痛みがツラい

痛みが強くなるパターンは人それぞれです。

  • 夜中や寝起きが痛い
  • 動かすと痛い
  • 座っていると痛い
  • 座った姿勢からの動き出しが痛い

このように、「〇〇をしてる時は痛くて、〇〇をしている時はマシ」

という波が必ずあるはずなのですが、痛みが長期化してくると、

「いつも痛い、何をしてても痛い」

といったように、いつも痛みに注意が向くようになります。

痛みのことばかりを考えているのは大きなストレスだし、脳に負担をかけ疲れさせてしまいます。


まとめ

きっかけは外傷でも、そこから生じた不安や恐怖、あるいは日常の心理的ストレスによって、身体のシステムに不具合が生じ、痛みが長期化することがあります。

そのことを知らないと、将来どうなるかなどの不安が増し、活動量が減り、夜眠れなくなり、仕事への復帰が遠のき、更に不安は増して、

だんだんと悪化していくことも多いです。

正しい知識を得て、少しずつ体を動かすことが大切で、そこから小さな気づきが増えていきます。

脳が安心してくると自律神経が整い、痛みも軽くなっていくものです。


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あおば秀樹🦴ほねつぎ院長

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