腰椎分離症の中学生【再発する】痛みの原因とは?


10歳代で腰痛になった…
スポーツをがんばっている…
病院で腰椎分離症と診断された…

「まだ若いのに腰痛なんて…」

と思ってしまうけど、実は比較的多い疾患です。

実は僕自身、「腰椎分離滑り症」を持っていますが、今は痛みも何もありません。

この記事では、現在通院している、サッカーをガンバッている中学3年生の症例を紹介しつつ、腰椎分離症について解説します。


この記事でわかること
①腰椎分離症の特徴
② 15歳サッカー部男子の症例
③痛みが長引いている理由

この3つについて解説します。


① : 腰椎分離症の特徴

腰椎分離症の特徴は主に次の3つです。

  1. 中学生に多い
  2. 痛みがある人とない人がいる
  3. 炎症が鎮まると痛みは良くなる

では順番に解説します。


1.中学生に多い

腰椎分離症は、背骨の腰部分(腰椎)に生じる疲労骨折です。

  • 13〜14歳に多い
  • スポーツ選手に多い
  • レントゲンで見つかる疲労骨折

小学校高学年、中学生、高校生に多く発症します。

野球、サッカー、柔道など、腰の前後屈や捻り動作の多いスポーツをしている人に発生しやすい傾向です。

腰が痛くなり病院に行くと、レントゲン検査で特徴的な画像が認められ、容易に見つかります。


※「スコッチテリアの首輪」と呼ばれる、犬の首輪のように見える骨折線が特徴。


腰を後ろに反らしたときに痛みが出やすく、自然に良くなるケースがあるため、発見されないことも多い疾患です。


2.痛みがある人とない人がいる

腰椎分離症になって痛みが出る人と、痛みが全く出ない人がいます。

私の腰椎分離すべり症は32歳の頃に見つかりましたが、それまで1度も腰痛を経験したことがありませんでした。

要するに、痛みがなければ検査をしないため、一生その存在を知らないままの人も珍しくないと言うことです。

私の場合、たまたま勤め先の整形外科で腰のレントゲンを撮った時に見つかりました。


3.炎症が鎮まると痛みは良くなる

腰椎分離症の分離部が骨癒合して、元のようにくっつく可能性がある場合は、

コルセットを装着し、数ヶ月間安静を保つ保存療法が行われます。

しかしながら、うまく骨がくっつくことがある一方で、くっつかないままのケースもあります。

それでも痛みはなくなりますから、多くの場合、そのまま放置しても問題はありません。


② : 15歳サッカー部男子の症例

中学3年生の男子、サッカー部で頑張ってる患者さんの症例。

  • 5ヶ月前から痛い
  • 整形外科で腰椎分離症と診断される
  • 前屈すると腰の左側が痛い
  • 右側屈で左腰が伸ばされて痛い
  • 朝起き上がる時が1番痛い
  • 筋肉をほぐしたら少しラク

初診の時、問診と検査で分かった内容です。

痛みを訴えていた位置、上記の内容から、腰椎分離症の痛みは今はなく、筋肉の痛みに移行している可能性が高いと判断しました。

腰椎分離症の痛みを気にして生活するうちに、かかった姿勢や筋肉の機能低下などから、痛みの場所や、痛みの種類が変わることはよくあります。


③痛みが長引いている理由

様々な原因によって、痛みが長引き慢性化する可能性があります。

  • 診断による恐怖
  • 過度の安静
  • 自律神経の乱れ
  • 脳機能の低下
  • 動かすときの恐怖

病院でレントゲンを撮り、「腰椎分離症」のように骨の変形を指摘されると、頭の中は恐怖でいっぱいになります。

すると、動かすことが怖くなり、過度に安静にすることで身体の機能は低下します。

筋肉がこわばり、自律神経が乱れ、痛みが長引き、そうすると、いざ動かすときに痛みを予測して、恐怖心がわきます。

このようなストレス感情が脳にダメージを与え、痛みをやわらげる機能が低下してしまうのです。

このような悪循環によって、痛みが長引くことが多いわけです。

骨がくっつかないままでも、炎症が鎮まれば痛みは良くなります。

それを知らないと、痛みがなくなるまで動いてはいけないと思い込み、過度な安静を保つことになります。

まとめ

腰椎分離症は腰椎の疲労骨折で、中学生のスポーツ選手に多く発生します。

今回来院された患者さんも、中学生のサッカー部でした。

痛みが長引く原因は様々で、痛い場所以外にも原因が隠れていることがあります。

  • 分離症への恐怖
  • 過度の安静
  • 脳の機能低下

このような理由から痛みが長引き、考えはマイナスになり、体の機能が衰え、治癒力が低下する。

今回のケースは、そんなパターンかなと思います。

過度に恐れず、適度に体を動かすことが回復への近道です。



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あおば秀樹🦴ほねつぎ院長

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