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痛みに注意を向けないためにすべきこと

  • 痛みに注意が向いている時は痛みが増強する
  • ストレス要因に注意が向いている時は強力に鎮痛される


「戦争中は銃で撃たれても痛みを感じなかった人が多くいた」という報告があるのですが、これは心理的な状況次第で痛みが変化するということを示しています。


戦争という極限のストレスの中では、注意がそちらに向き痛みに意識が向かないからです。


つまり、痛みに注意を向けないことが痛みの鎮痛になるわけです。


でも、実際には「痛みのことを考えないように」「嫌なことを考えないように」と思えば思うほどその事を考えてしまいます。



他のことに意識を向ける

痛みを気にしないためには、他のことに意識を向けることです。


患者さんの中にも、草むしりを必死でやっているときには痛みを忘れていたのに、作業が終わると痛みがでてきたという人もいます。


急性、慢性に関わらず、痛み以外のことに注意が向けば痛みは鎮痛されます。


意識を自分の頭の中ではなく、外に向ける癖をつけましょう。


嫌な人のことを考えだすと、1日中そのことが頭から離れなくなり不快な状態から抜け出すことができません。


これは、常に自分の頭の中に注意が向いているからで、痛みも同じように考えることができます。


  • 歩数を数えながら歩いてみる
  • 歌を歌いながら作業をする

のように、何かをしながら言語を使うことによって、痛みや嫌なことを考える余裕がなくなります。


痛みに注意が向かない時間を増やしていくと、少しずつ痛みの興奮が抑制され、症状は軽くなっていく可能性があります。